歯並び、気になりますよね?
でもいざ歯列矯正をしようと思っても、子どもが通っているような矯正歯科でいいのか、それとも大人の歯列矯正を専門的に行っている矯正歯科がいいのか、判断に悩みますね。
成人してから始める歯列矯正は、単純に歯並びを直せば済むというわけではありません、歯茎が下がっていたり、歯周病だったり、被せ物があったりと総合的な治療が必要になってくることが多いのです。矯正歯科で歯並びだけは整えたけれど、矯正の過程で虫歯や歯茎の下がりなどが起きてしまったり、そのうえ歯医者を紹介してもらえず自分で探さなければいけない羽目になることも�
それに、歯茎のコンディションによっては全ての歯を矯正するのではなく、前歯のみ矯正するに留めたほうがいいケースもあります。患者ひとりひとりの歯や歯茎の状態に合った選択肢を与えてくれる矯正歯科を選ぶとよいでしょう。歯並び、気になりますよね?
1.矯正歯科はどう選ぶ?
矯正しているあいだの見た目にも配慮してくれる
笑ったときに矯正器具が目立ってしまうのは誰でも嫌ですよね。見てもわかりにくいように歯の裏側に矯正器具をつけたり、目立たない色のものを提案してくれたり、歯の状態だけでなく見た目にも配慮してくれる歯科を選ぶのがおすすめです。その人の歯の状態によってはできない場合がありますが、少なくとも選択肢をいくつかと自分に合った方法を提示してくれたら安心できますよね。
虫歯や歯周病について調べてくれる
程度に差はありますが30代以上のおよそ80パーセントは歯周病に罹っているといわれています。矯正器具をつける前に歯周病を治しておかないと、治療中やその後に歯周病が悪化してしまうおそれがあります。歯周病に罹っているか調べてくれたり、歯周病の治療をしてくれる歯科を紹介してくれるような矯正歯科が安心です。
全体のみならず部分的な矯正治療もしてくれる
矯正によって噛み合わせを変えると、ものが噛みにくくなったり、顎関節症になってしまうことがあります。奥歯の噛み合わせに問題がない場合は、前歯にのみ矯正器具をつけてくれる歯科を選ぶとよいでしょう。
虫歯の対処や矯正を終えたあとの治療もしてくれる
矯正しているあいだに虫歯が見つかった時、矯正歯科で治療してくれたら楽ですね。それが不可能な場合は、きちんと他の歯科を紹介してくれる矯正歯科を選ぶのがおすすめです。他にも、「歯並びが整ったら終わり」ではなく、その後のケアやフォローがあるかどうかも矯正歯科選びの大きなポイントです。
2.矯正歯科に来たらまず何を聞くか
矯正治療の期間はどれくらいかかる?
成人の場合は2年から3年という期間をかけて歯並びを整えていきます。ただし、その人によって差があるので、自分はどれくらいかかるのか、おおむねの期間を確認しておきましょう。
費用はどれくらい?
歯列矯正は保険適用外になりますので、どの矯正歯科に通うかによってかかる費用が変わってきます。
主にかかる費用がこちら。
基本料金
60~150万円(治療法によって変わる)
処置料
5千円~1万円程度
検査代
2万~3万円程度
気をつけたいのが処置料。基本料金にこの処置料が含まれているのか、それとも別なのかでトータルの費用が変わってきますので、まず確認しておきたいところ。
どんな治療をするか
目立たないように透明なブラケットを使ったり、裏側矯正、部分矯正、マウスピース矯正など、どの治療法を選ぶかでかかる期間や費用が変わります。自分にどの方法が合っているのか確認しておきましょう。
別の歯医者を紹介してもらえるか
歯周病や抜歯などのときに矯正歯科では行えない場合がありますので、そういったときに信頼できる別の歯科を紹介してもらえるか、してもらえるならそれがどこの病院なのか確認しておく必要があります。
矯正治療中のケアについて
矯正中のケアやメンテナンスをしてくれるのか、それとも他の歯科に行く必要があるのかどうか確認しておくとよいでしょう。
3.歯の状態に合わせた矯正歯科を選ぶ
噛み合わせがひどく悪い
出っ歯や受け口が極端な方は、外科的な矯正治療も行っている矯正歯科に通うのがおすすめ。噛み合わせによっては保険適用になる場合もあるので確認してから治療を始めましょう。
歯周病が進行している
歯周病に詳しい一般の歯科医で矯正するのがよいでしょう。歯茎の状態により、矯正を終えたあとに抜歯しなければならなくなる場合があります。そうならないためには歯茎の状態をつねにチェックしながら、慎重に歯を動かさなければなりません。矯正専門よりも歯周病治療をしっかり行っている矯正歯科がおすすめです。
歯周病の程度が軽い
歯周病が進行しないように定期的なメンテナンスは必要ですが、一般の矯正歯科で問題ありません。
4.大人が歯列矯正すると起こりやすいトラブル
歯周病の悪化
歯周ポケットの深い歯を気づかずに動かすと、歯周病が進行して最悪の場合は抜歯しなければならなくなります。3次元CTで歯周病の進行具合をチェックしながら治療をすすめる必要があります。
被せものが外れる
虫歯の治療をしたあとの被せもの(クラウン)が外れると、歯が動かせなくなることがあります。矯正治療がしやすいように仮のクラウンを使って治療することになります。
歯茎が下がる
歯の周囲に骨がなかったり、歯の位置が極端にずれている場合、矯正することによって歯茎が下がってしまうことが。改善するには矯正前・もしくは後に歯茎の移植が必要です。
最後に
大人になってからの歯列矯正は、歯並びを改善して見た目の印象を変えることはもちろん、矯正することによって歯や歯茎を健康にすることをめざすものです。せっかく矯正した歯を抜歯しなければならないという事態は起きてはいけません。これから通う矯正歯科を選ぶにあたって、歯周病の進行具合についても調べてもらうとよいでしょう。